稲の旋律

8月に真鶴で行われる上映会「アンダンテ」の原作です。

 

「稲の旋律」

 

ひさしぶりに感情移入して読んだ本でした。

 

というのも、この主人公、千華は、幼少から、母の夢である「ピアノ」を続けてきた事で、自信をなくし、引きこもりになる、という設定。

そして、農業を通して、心を取り戻して、自分の道をみつけていく。

 

わたしも実は物心ついた時にはすでにピアノを弾いていました。

叔母のピアノ教室を継ぐと、そんな道がいつの間にか決められていて、高校から音楽科に行っていました。

ですが、主人公の千華と同じように、音楽大学を中退。

ピアノから離れてしまいました。

なんとなく千華と自分が重なり、以前の、母との葛藤の日々を思い出して読みました。

 

親と子のありかた

ひきこもりの問題

そして、農業、食の問題

さまざまに考えをめぐらせながら

幸せってなんだろうと、真剣に考えた小説でした。

 

そして今、わたしは農業に目が向いています。

今、この時に、この小説に出会ったことも、縁なのかしら....と思います。

 

 ひさしぶりにピアノが弾きたくなり

主題歌の「アンダンテ」を弾いてみました。

 

20年、もうピアノから離れていますが

しっかりと耳と手は、「音」を覚えています。

ピアノが弾ける喜びを、今はかみしめる事ができる。

 

迷いの多い人生ですが、すべてに後悔はないです。

母にも感謝しています。

そして、期待に応えられなくて、ごめんねと、心の中でつぶやいてみました。